My favorite things
マイヤ プリセツカヤさんは、私がこの世の中で一番愛しているプリマドンナ様。
2015年5月2日に亡くなられたそうだ。
この方の特集を1997年にNHKで観た。「瀕死の白鳥」
凄かった。
動けなかった。 人間が、白鳥になっていた。
なんと美しいものだったろうか。
最後の最後の腕の一振り、その震えまで、見事な芸術であった。
確か特別にNHKの撮影のために踊ったもので、観客の誰もいないそれは厳かと言える空間で、彼女は白鳥になっていた。
場所はNHKスタジオ。
音楽はカミーユ・サン=サーンス作曲の組曲『動物の謝肉祭』より「白鳥」。
マイヤ プリセツカヤ様は、本当に好きで、大好きで、観られるだけ観てはいるのだが
私はこのNHKで放送された 「瀕死の白鳥」が一番好きだ。
実家のブラウン管テレビの中で、踊る彼女。
テレビの周りにある、日常の雑多な部屋の中さえも問題にしない美がそこにはあった。
国も違い、バレエに関しての文化も教養もない1人の女を、驚かせ魅了してしまうプリマドンナ。
真に美しい人。
いつまでも。